斬魔大聖デモンベイン

■Nitro+/荒唐無稽スーパーロボットADV/PC/18禁

己の手で勝ち取った奇跡はもはや奇跡ではなく。
運命すらも切り拓いてみせるのが人間なのだ。

わざわざ隔離しているのはこういうのを大っぴらに書けるようにという配慮でもありまして。今更言うまでもないかとは思いますが、斬魔大聖ときたからには最近出たPS2移植版ではなく、18禁PC版の方です。
……うちにはPS2なんてものはありませんので。

ともかく、ゲームをやって涙腺が緩みかけたのは初めてでした。泣かせる話というわけではなく、いや、もちろん感動はしましたが、なんというか最後にちゃんと還るべきところに還るというのが個人的にとても好きでしたので。
馬鹿なノリと燃える展開に、まあそれらしく萌えも加味された、曰く、荒唐無稽スーパーロボットADV。なかなか言い得て妙だと思います。
テキストがくどかったり、強さのインフレが起こったりするのも、それすらもひとつの様式美。お約束は大事です。
世界を救うのは愛の力だなどと恥ずかしい台詞でさえも、誇りを持って堂々と、それを真実として描ける話です。
もちろん、笑いの要素も多分に散りばめられていて、全体的に話は明るめですね。登場人物同士の掛け合いも、楽しみのひとつでしょう。

テキスト量、CG枚数、曲数、どれをとってもボリュームがあります。
有名どころの声優さんが多数出演しているのも、ファンの方なら嬉しいのではないでしょうか。PC版は残念ながらパートボイスとなっていますが。
危機に次ぐ危機、そしてそれを打破するのは他ならぬヒトの力。
色々と偏った部分もありますが、物語の筋としてはとても王道なものだと思います。大団円が嬉しい話でした。

好きなヒロインは勿論アル・アジフ。旧神エンドよりも帰還エンドの方が好きです。旧神エンドだとアルはいつまでも九郎ちゃんに対して罪悪感を抱いてしまいそうで。それもそれでなんか一つのストーリーになりそうなぐらいですが。
攻略対象でないけどエルザとか、あと執事とか、とにかくキャラクターが立っていて素敵過ぎます。少年漫画というよりも熱いライトノベルのノリなので、結構とっつきやすいかと思います。